こんにちは。札幌で行政書士をしております渡辺猛(わたなべたけし)です。
近年、街中でよく見かけるようになった「黒ナンバー」の軽自動車。これは営業用の軽貨物車両に付けられるナンバープレートで、主に個人事業主や副業ドライバーが使用しています。
Uber Eatsは東京などでは自転車で配達されていることが多いですが、北海道や東北・北陸の一部では冬季に積雪があり自転車が使えません。またAmazonなどの宅配の荷物には、自転車より自動車の方が適しているでしょう。そのため、これに携わる個人事業主の方々が、黒ナンバーの軽自動車を利用しています。
副業・個人事業としての参入がしやすい
黒ナンバーは、Amazon FlexやUber Eatsの拡大に伴って、増えているというわけです。黒ナンバーの取得は比較的簡単で、軽自動車1台あれば始められるため、会社員の副業や定年後の仕事として人気です。
車両要件の緩和
・以前のルール(緩和前)
以前は、黒ナンバーを取得するには、4ナンバーの軽貨物車両(例:軽バン、軽トラック)が必要でした。このため5ナンバーを使う場合は、構造変更(後部座席の取り外しなど)をして貨物仕様に変える必要がありました。
・緩和後のルール(2022年10月以降)
5ナンバーのままで黒ナンバー取得が可能になりました。その結果、ワゴンRやアトレーワゴンなどの一般的な軽乗用車でもそのまま営業用登録ができるようになり、軽貨物運送業への参入ハードルが大幅に下がりました。
初期投資が少なく、働く時間も自由に調整できるため、「自分のペースで稼ぎたい」という人にとって魅力的な選択肢となっています。
・一方で規制強化も
2025年4月からは以下のような制度強化が実施されました
•安全管理者の選任と講習受講の義務化
•初任運転者や高齢者への適性診断
•業務・事故記録の作成と保存
•重大事故の国交省への報告義務
これらは参入を妨げるものではなく、むしろ「安全で信頼できる配送業者」を育てるための制度強化です。
制度が明確になることで、安心して始められる環境が整い、結果的に黒ナンバー軽自動車が爆発的に増えてているのです。
黒ナンバーを取得するための具体的な手続きなどは、項を改めて解説したいと思います。
黒ナンバーの取得は、個人でも比較的簡単にできますが、役所の手続きなど時間がかかるものもあります。そんな時は行政書士に相談することもできます。
コメント